図書館で働きたい
私は公共図書館で約7年業務に携わってきました。仕事の面白さにとり付かれ、司書の資格を取得し今後もできれば図書館の仕事をしたいなと思っています(^^)
「生涯学習」という言葉をよく聞きます。一見、図書館は学びの場として提供されているようにも見えますが、実は働いている自分自身がなにより生涯学習を実践できる場でもあるのです。
図書館の求人情報について
図書館の仕事にであったのは8年前。当時、気楽にできるバイトを探していて求人情報を見ていた時に図書館員募集の記事をみつけました。
コンビニにあるようなタウンワーク誌でした。ほかにも、インターネット上の求人サイトにもよく掲載されています。
正直、公共で特殊で専門性のある仕事だと思っていましたので、まさかこんな求人情報誌にサラっと掲載されているなんて驚きました。
大学卒業してないとだめなのではないか、資格がいるのではないか、公務員試験がひつようなのでは?などなど最初は「?????」となりましたが、せっかくなので応募してみました。
求人を出している主な事業者
- 各自治体(正職員、非常勤、臨時など)。各自治体HP、図書館HP、自治体広報などに掲載されていることがあります。不定期。
- 専門知識を必要とされる求人は日本図書館協会の求人ページに掲載
- 図書館を専門にした派遣事業を行っている会社 図書館流通センター、図書館スタッフ、VIAX、紀伊国屋書店、丸善 など)
- その他 人材派遣会社 ※最近は多くの派遣会社でも求人を取り扱っています。
気になる給与
一般的な企業の正社員とは異なり、ほとんどが派遣社員、パート・アルバイトであることが多く、時給は1,000円前後×時間+司書資格があれば資格手当 程度、賞与なしである場合がほとんどです。多いか少ないかについてはそれぞれ個人の生活環境、ライフスタイルがあるのでなんとも言えませんが、専門職と言われるにしては低いと感じる人も多いかもしれません。
月収にして、手取りで14万~18万円となっている印象です。会社によって異なりますが、私が所属していた会社では資格手当は月5000円を支給されていました。一人暮らし、家族を養うと、なるとやはりちょっと厳しいかなという現実です。
今は図書館業務も派遣の時代。「業務委託」と「指定管理者制度」
図書館司書の正規雇用は狭き門といわれています。公共図書館での正規職員ルートは、公務員試験を受け、自治体の公務員の職のさらに図書館への配属となります。
なので、図書館で働きたいからといって公務員試験を受ければ希望どおり図書館に配属されるというわけではありません。
ではなぜ、求人誌やインターネット求人サイトで図書館員の求人広告が増えたのでしょうか。
これまでは、自治体が運営していた図書館ですが、2003年に施行された指定管理者制度の導入により、企業やNPOなどの民間組織に運営を任せることができるようになりました。指定管理者制度の図書館は施設管理から業務、人員など、その図書館を、中央図書館の意向に沿って民間組織が運営しています。
また、業務の一部を業務委託という形で民間企業に任せている図書館がほとんどです。自治体が直営している図書館でも、窓口業務は民間に任せているというところがとても多いのが現状です。銀行窓口や郵便局、病院の受付、役所の窓口なども業務委託を導入しているところはとても多いですよね。
指定管理者制度については賛否両論あり、私個人の意見としても公務員試験を経て公務員になった人材と、一般教養・常識・社会通念・地域貢献の意思が薄くても比較的気軽に採用されてしまう民間企業の人材では力量の差が出てしまうことも問題があると思います。
指定管理者というだけで苦情を受けるということもよくあります。当初は指定管理者によるメリット(開館時間が延長される、開館日が増える、催し物、サービスなどが充実する)や機転が利く瞬発力などを魅力に感じていましたが、長く続けると利用者の厳しい意見というのも身に染みてわかる出来事に何度か遭遇しました。
これについては追々ブログの記事で書きたいと思っています。
福利厚生について
ここでは、派遣会社の福利厚生について紹介します。自治体から委託されるという業態のため、いわゆるブラック企業のような会社はほぼ少ないと考えます。社会保険、厚生年金、有給などもきちんと法定に法り運営されています。
時折、自治体の中で経営している企業を優遇していることがあります。例えばそれが製造業で図書館とまったく関係のない、得意分野が違う会社だとすると、現場の人間と会社側の認識の差がでる可能性はあります。生産量・効率など数字を重視する考えですと、あくまでも奉仕的な目に見える成果が分かりにくい図書館のような非営利の存在とではどうしても認識にすれ違いがでてくることはあると思われます。
司書資格は必要なのか?
答えは、資格がなくても図書館の仕事は可能です。私の場合は、司書資格がない状態で入社。自分の過去の仕事の経験などが案外気楽に活かされるような環境で、できる業務が多かったこと、苦にならなかったことなどもあり責任者職へ推薦されていきました。最初は窓口の業務が中心でしたが、責任者職になるとバックヤードの仕事が増え図書館業務の面白さに目覚めました。上司からの勧めもあり、司書資格を取ってみては?と打診され真剣に司書資格取得について考え始めたのが3年目でした。
◆司書資格はあったほうがいい?
図書館で働くならあったほうが絶対いい。司書資格取得に必要な科目を履修したことがすべて活かされます。理論・精神を理解し、実技に活きます。とくにレファレンス、分類法、書誌学など、情報演習など、理解が深まると楽しくて仕方がありません。指定管理だろうが委託だろうが直営だろうが、どんなに苦手な人がいても根本的な考え方が共有されていますので分かり合える部分もあり、充実した気持ちで仕事に取り組めるのではないかと考えます。
これはお金がどうこうというよりも、自分のためになるから取得した方がいいとお勧めします。
正直、司書資格を持った人と働けたほうが楽しいし、建設的なのです。
また、司書資格があれば図書館の仕事に携われる可能性は格段にあがります。
図書館としても司書を雇いたいわけですから、司書資格はあった方がよいのです。
◆図書館業務の実際
本が好きだから、というだけでは図書館の仕事は難しいと思います。図書館の仕事の殆どは利用者へのサービス業務がメインで貸出、返却、レファレンス(調査・読書相談)です。接遇能力の方が重要となります。そして、本は案外重く、図書館も広く、整理整頓なども行いますし、呼ばれたら対応するなど体力もそこそこ必要です(^^;
また、チームワークも必要ですのでコミュニケーション能力があったほうが楽しくお仕事ができるのではないでしょうか。また、自治体から委託されている民間組織とは言え、利用者からみれば自治体の職員と同一視されている場合も。立ち居振る舞いについても意識をしなければならないでしょう。クレーム対応だってもちろんあります。図書館利用者へ注意などを行わなければならない場面もあります。
パソコン操作はもちろん、調べる能力も必要です。ですが、決して図書館員だからといってなんでも知っていなければならないというわけではありません。百科事典のようになんでも知っているわけではなく、「調べ方を知っている」といったほうが適切かもしれません。
冒頭で述べた「生涯学習の実践」とはまさにこのことで、利用者のニーズに応えられた経験が自分の実績と自信につながる、続けていくと自分の実になるものが多いお仕事でもあるのです。
今回は図書館で働きたいと考えている方向けに、私が経験した図書館での仕事などをご紹介しました。
まだまだ書ききれないことばかりです(^^)
なんとなくイメージが湧いてきたと思っていただけたら幸いです。図書館のお仕事シリーズは今後も更新していきますので引き続きよろしくお願いします♪